女性なら毎月生理があると思いますが、いつかは「閉経」がきて生理が止まります。
すると体にはさまざまな変化が現れます。その変化の中で「おりものはどうなるの?なくならないの?」と疑問に感じる方は多いと思います。
そこで今回は閉経を迎えたらおりものは出なくなるのか。異常な状態のおりものとはどのようなものなのか。閉経後のおりものの状態と、病気が疑われる場合などをご紹介していきます。
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閉経とは?時期はいつ?
閉経とは、月経(生理)が来なくなる事。一般的には1年間生理が来なかったら閉経したとみなすようです。
卵巣にも寿命があり約50年で卵巣は寿命を迎えます。すると卵巣ホルモンの分泌が減少していき、閉経を迎えます。日本人の平均閉経時期は50歳と言われています。
しかし閉経にも個人差があるため、45歳ごろで閉経する人もいれば55歳になってもまだ生理が続く人もいます。
生理時の経血量が少なくなってきたり、生理の間隔が長くなる、更年期症状が出るなどが現れたら閉経が近くなっているサインです。
閉経後でもおりものは出る?
おりものは女性ホルモンと深い関わりがあり、排卵を起こすのにエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンが分泌されていますが、このエストロゲンの分泌量が増えるとおりものの量も増えます。
しかし閉経を迎えると排卵をおこす必要がなくなるため、エストロゲンの分泌量は減少します。そのためおりものの分泌量も減少します。
しかし、おりものが全くなくなる事はありません。生理がある時期には排卵時期におりものの量が増える事がありましたが、閉経を迎えるとそういった変化は見られなくなります。
閉経後のおりものの状態
閉経前のおりものは透明や乳白色をしています。排卵期には量が増えたりの変化がみられます。
閉経後のおりものは量は少なく、色は茶色っぽかったり黄色のような状態で出てくることが多くなります。これは不正出血によるものや、膣内の炎症の影響が考えられますが、少量の場合そこまで気にする必要はありません。
茶色のおりものの量が多く、ダラダラと長引く場合は子宮からの出血の可能性もあるため、婦人科を受診するようにしましょう。
閉経後におりものが増えた場合は病気?
閉経しておりものの分泌量が減少すると膣の自浄作用の働きが弱まるため、細菌が感染しやすくなってしまいます。閉経後に急におりものが増加した場合には萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)になっている可能性があります。
萎縮性膣炎とは?
萎縮性膣炎とはエストロゲンの減少が原因で膣壁が薄くなったり、膣内が乾燥したり不正出血、性交痛を感じたりします。
おりものの状態は量が増えて黄色っぽい膿のような状態になり、悪臭を放つようになります。おりものの変化や性交痛、不正出血などが現れた場合は婦人科を受診するようにしましょう。
治療にはエストロゲンの投与を行います。
萎縮性膣炎は閉経後の女性だけでなく、若い女性であっても生理不順の人や産後・女性ホルモンを抑制する薬などを服用している場合などは、エストロゲンの分泌量が減少するため萎縮性膣炎は発症する事があります。
閉経後に下腹部痛を感じる場合は?
閉経後におりものの変化の他に下腹部痛を伴う場合は、更年期障害を発症している可能性が考えられます。
閉経時期の前後10年は更年期と言われていて、女性ホルモンの減少などを受けてカラダにさまざまな変化が現れます。
更年期障害の場合、婦人科を受診すると薬を処方してもらえるため、下腹部痛も軽減されます。自身の痛み具合を確認しながら、必要ならば早めに婦人科を受診するようにしましょう。
更年期障害の場合は内科ではなく婦人科を受診するのが良いでしょう。
閉経後もおりものの確認は大切に
閉経するとおりものの分泌量も減り、下着が汚れたり急に量が増えて不快という事が少なくなります。
そのため、おりものを気にしなくなると思いますが、閉経後は自浄作用が弱まっているため細菌が繁殖しやすく膣炎などを発症しやすくなっています。
膣炎などになった時はおりものに変化が現れるため、普段からおりものに異変は無いか量は増えていないかなどを確認しておくようにしましょう。
異変が出た場合は早めに婦人科を受診し、症状が進行するまえに治療をするようにしましょう。