かゆみ

デリケートゾーンのかゆみを引き起こす8つの症状!原因別での正しい対処法

デリケートゾーンがかゆくて困った事はありませんか?
デリケートな部分のため人前では掻くわけにもいかず、我慢するのも大変な事です。
中には夜も眠れなくなってしまったり掻きすぎて外陰部が荒れてしまう方も…

女性器のつくりは非常に複雑になっているためトラブルが起きやすいです。それに加え毎月の生理や性行為、排尿などで常に刺激される場所でもあります。

デリケートゾーンの痒みに悩んだことのある女性は7割以上と、非常に多いです。
痒みの原因は体調などによるものから、人から移ったものまであります。

この記事では、かゆみの原因と対策、自分で出来るセルフケア方法、病院に行くタイミングまでをご紹介していきます。

デリケートゾーン(外陰部)のかゆみの原因

デリケートゾーン(外陰部)がかゆくなる原因には

の2つが主に考えられます。

蒸れや摩擦、かぶれが原因の場合


蒸れや摩擦によって、デリケートゾーンがかぶれている場合にはかゆみが起こります。蒸れや摩擦、かぶれを起こす症状は下記の8つになります。

1.生理中

生理中はナプキンをつける事により陰部が刺激を受けたり、経血により陰部周辺が汚れたりして、かぶれを起こしやすくなります。

また、ナプキンによる蒸れは細菌を繁殖させやすくなります。

2.オリモノによるもの

排卵日前後などはおりものの量が増え、粘り気も強くなります。

蒸れなどによって肌が敏感になっている時などにおりものがデリケートゾーンに付くことで、刺激になりかゆみを引き起こします。

10代はホルモンバランスが乱れやすく、20~30代はおりものの量が多くなりやすい時期なので痒みトラブルが起きやすくなります。

3.抵抗力が低下している時

疲れやストレスが溜まり抵抗力が低下してしまうと、デリケートゾーンにいる大腸菌やブドウ球菌などの常在菌が繁殖しやすくなってしまいます。

常在菌が異常繁殖すると、膣カンジダなどの膣炎にかかりやすくなります。さらに膣炎になるとおりものの分泌量も増え、かぶれやすくなります。

4.抗生物質やステロイド剤を服用している時

抗生物質やステロイドを服用していると、膣内を清潔に保つために存在している「デーテルライン桿菌」という細菌を雑菌などと一緒に殺してしまいます。

デーテルライン桿菌が少なくなると、膣の自浄作用(雑菌が膣内に侵入するのを防ぐ作用)が低下してしまうため感染症などにもかかりやすくなり、かゆみのもとに繋がります。

5.締め付けの強い下着や服

デリケートゾーンは蒸れやすい場所になっているのですが、締め付けの強い下着や服を着ることによって、陰部が擦れてかぶれたり蒸れてかゆみが出やすくなってしまいます。

また、締め付けの強い服や下着によって血流が悪くなってしまい、服を脱いだ時に血管が広がりかゆみが出てしまう事もあります。

6.乾燥によるもの

デリケートゾーンはもともと皮膚が薄いため、刺激を直に受けやすくなっています。

乾燥していると肌が敏感になっているため、下着などで擦れる事によりかゆみを引き起こしやすくなります。

7.妊娠中

妊娠中は免疫力が低下しやすくなっています。ホルモンバランスが変動するため、膣炎などもかかりやすくなり、かゆみを伴う場合も。

また妊娠する事でおりものの分泌量も増えやすくなり、体温も上がっているため汗などによる蒸れを起こしやすくなり、かぶれやかゆみを引き起こします。

8.閉経前や閉経後

閉経前や閉経後は女性ホルモンの一種のエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減ります。すると膣内の分泌物も減少し乾きやすくなってしまいます。

乾燥している時に下着などによって擦れると炎症を起こしたり、かゆみを招いたりします。

また、エストロゲンには膣の自浄作用を保つ働きもあり、そのエストロゲンが減少すると、自浄作用の働きが低下してしまい膣炎なども起きやすくなります。




菌などによる感染症が原因の場合

性感染症(STD)を含む、病気が原因でデリケートゾーンにかゆみが現れる事もあります。かゆみを伴う病気は下記の8つになります。

1.膣カンジダ

かゆみの他におりものがヨーグルトやカッテージチーズのような白い状態になります。

膣カンジダとは、もともと体内に存在している「カンジダ」というカビの一種が膣内で異常繁殖する事によって引き起こされる膣炎です。

感染症とは異なり、免疫力が低下しているときや抗生剤を服用した時などに発症しやすくなっています。

膣カンジダの時は膣の内側が我慢できないほどの強いかゆみに襲われます。その強いかゆみが外陰部や肛門辺りまで及ぶこともあります。

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2.細菌性膣炎(非特異性膣炎)

おりものの色が黄色や黄緑っぽくなり、強い悪臭を放ちます。

膣内にいる大腸菌やブドウ球菌などの常在菌が異常繁殖し炎症が起きる事で発症します。

体調不良やデリケートゾーンの不潔、自浄作用の低下が原因で起こるため、誰しもが発症する可能性のある病気です。

細菌性膣炎の時はかゆみはさほど強くなく、ムズムズするようなかゆみです。

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3.性器ヘルペス

症状が進行してくると痒みの他に外陰部の痛みやただれが出てきます。

ヘルペスウイルスに感染する事によって発症します。主に性行為が原因でうつりますが、性器に症状が出るタイプと唇や口内に症状が出るタイプがあります。

性器にかゆみや違和感が現れます。症状が進行していくと酷くなっていきます。

ヘルペスウイルスは一度感染すると、ウイルスが体内に残るため体力や免疫力が低下した時などに再発しやすくなりますが、初発症のときより症状が軽くなる事が多いです。

4.クラミジア感染症

はっきりとした自覚症状がない事も多いですが、おりものが透明でサラサラしたものが増える傾向にあります。

クラミジア・トリコマティスという病原菌に感染する事によって発症します。主な感染経路は性行為で、自覚症状がない事から気付かずに症状が進行していくと、不妊症や子宮外妊娠の原因に繋がります。

ほとんど強いかゆみはありませんが、膣部分がなんとなくかゆいといった症状です。

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5.毛じらみ症

強いかゆみがありますが、おりものなどの変化はありません。

毛じらみが陰毛の毛根部分に寄生して繁殖する事で発症します。性行為で相手の陰毛から感染する場合や、プールや温泉などの不特定多数の人が利用する場所でうつる事も。

非常に強いかゆみが生じるため、掻きむしって血が出てしまう事もあります。

6.トリコモナス膣炎

かゆみの他に、白~黄色っぽい泡立ったおりものが出るのが特徴

トリコモナスという寄生虫が膣に寄生する事によって発症します。主に性行為が原因ですが、プールや温泉などの水場でも感染します。

症状が進行していくと外陰部が赤くただれたり、排尿時にしみたりもします。
かゆみの具合は膣や外陰部になんとなく痒みがある程度です。

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7.淋菌感染症(淋病)

かゆみの他におりものの増加がある程度ですが、症状が進行してくると黄色い膿っぽいおりものが出たりもします。

主に性行為で淋菌という細菌に感染することによって発症します。感染者とオーラルセックスをする事によってのどにも感染する可能性があります。

炎症が進行してくると、尿道炎になったりもします。そのほか、不妊症や子宮外妊娠の原因にも繋がります。

気が付きにくい程度のムズかゆさが生じます。

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8.尖圭コンジローマ

かゆみの他に外陰部や尿道口周辺にイボのようなものができます。

性行為が原因でヒトパピローマウイルスに感染する事によって発症します。潜伏期間が数週間~2,3か月と長いため忘れたころに感染する事も少なくありません。

かゆみは外陰部がなんとなくムズムズするしている程度になります。




デリケートゾーンがかゆい時の対処法

デリケートゾーンがかゆくなった時には

を試してみましょう。

明らかに病的な症状がある場合には自己対処をするよりも先に病院を受診する必要があります。その場合の病院を受診するタイミングについては下記で紹介していきます。

デリケートゾーンを清潔に保つ


デリケートゾーンの蒸れや不潔などが原因で症状が悪化するため、デリケートゾーンを清潔に保つようにしましょう。主な対処法は以下になります。

1.デリケートゾーン専用石鹸を使う

デリケートゾーンは蒸れやすく細菌が繁殖しやすくなっています。膣には細菌の侵入を防ぐ「自浄作用」の働きがありますが、不潔な状態では自浄作用の働きも低下してしまいます。

そこで石鹸でしっかりと洗いたいところですが、市販の石鹸はアルカリ性のものが多く洗浄力が非常に強くなっているため、デリケートゾーンには不向きです。

デリケートゾーン専用石鹸は低刺激のものが多く、膣内の必要な常在菌は残しつつ雑菌は洗い流してくれます。

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2.ナプキンやおりものシートはこまめに変える

生理中はナプキンや経血でどうしても蒸れやすく、かぶれやすくなりがちです。

長時間の使用は細菌の繁殖のもとになりますので、最低でも2~3時間に1度は交換するようにしましょう。

また、排卵時期などはおりものの量が増えやすくなっていて、下着についたおりものを放置すると細菌が繁殖してしまいます。

おりものシートを活用するなどして清潔に保つようにしましょう。

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3.締め付けの強い下着や衣類は控える

締め付けの強い下着やストッキング、窮屈な衣類などは控えるようにしましょう。

すでにかゆみが出ている時は、それらの衣類は刺激になりかゆみを増します。さらに蒸れやすくなり膣炎を発症させてしまう場合もあります。

締め付けのない下着や通気性の良い下着を身に着けるようにしましょう。シルク素材のものは通気性が良いためオススメです。

4.陰毛を処理する

陰毛が濃い場合や長い場合は蒸れやすく、かぶれるなどの炎症が起きやすくなってしまいます。陰毛を処理する事でかゆみの軽減になります。

しかし、間違った処理方法をしてしまうと、かえって皮膚を傷つけたりかゆみが悪化する場合もあるので注意が必要です。

デリケートゾーン専用のシェーバーを使うなどをしましょう。また、VIOの脱毛をしてしまうのもおすすめです。

 

市販薬を使う


デリケートゾーンのかゆみに効く市販薬もさまざまな種類が出ています。それらを使うのも効果的です。症状が軽い場合2~3日程度でかゆみは治まる事が多いです。

デリケートゾーンの痒みケアで有名なフェミニーナ軟膏やフレディなどは薬局にも売っていて、「抗ヒスタミン剤」「抗炎症成分」などが含まれてるもので、かゆみやかぶれに効果的です。

市販薬の使い方Q&A

Q.「適量」はどのくらい?

→外陰部に塗る場合は1cmほど
膣内に塗る場合はパール大くらい
陰毛部分に塗る場合は1~2cmほどが適量です。

Q.市販薬はどうやって塗ればいい?

→外陰部が痒い場合には指で前から後ろ(クリトリスの部分から肛門に向けて)
膣内が痒い場合には薬を指先につけ、膣の入り口部分に入れて、痒い部分に優しくつける
陰毛部分が痒い場合には陰毛の地肌部分のかゆい所に丸を書くように優しく塗る

Q.いつ塗るべき?

→清潔な状態で薬を長くとどまらせられる時が良いため、お風呂上がりと朝トイレをした後の1日2回程度が効果的です。

Q.市販薬を使う時の注意点は?

→外陰部に塗るとヒリヒリしたり、しみたり痛みを感じるときには、傷や炎症がある事が考えられます。その場合は市販薬のみで治すのは難しいので病院を受診するようにしましょう。

 

デリケートゾーンの痒みで
病院を受診するタイミングは?


デリケートゾーンのかゆみは少しの事でも引き起こされます。なので、かゆみが出た場合にはまず自分でできる対処法を行うようにしましょう。

感染症などが原因になっている時は、市販薬などでは治りません。悪化すると不妊に繋がったりする可能性があるため早めに病院を受診する必要があります。

以下のような症状の時にはすぐに病院を受診するようにしましょう。

  • 清潔な状態を保ち刺激も避けていても、かゆみが3日以上続く
  • 3日間市販薬を使用したが、かゆみがおさまらない
  • 陰部に痛みがある
  • おりものから強い悪臭がする
  • おりものの量が急激に増えた
  • 黄色や白っぽいおりものが出る
  • カッテージチーズのようなポロポロしたおりものが出る

 

病院での検査の流れ

1.問診

かゆみの症状について詳しく話を聞かれます。他に初潮の時期や生理周期、妊娠の有無なども聞かれる事があります。スムーズに対応できるように事前に確認しておきましょう。

2.内診

診察台に上がって性器周辺などに炎症がないかを確認されます。ここで膣炎などの疑いがあると判断された場合にはおりものの検査も同時に行われます。

3.オリモノ検査

長い綿棒でおりものを採取して菌の存在を確かめます。

顕微鏡を使い確認する方法と培養して確認する方法とがあります。顕微鏡での検査の場合はその場ですぐに終わりますが、培養する場合は結果までに1週間前後かかる事があります。

しかし顕微鏡確認の場合は菌を見逃してしまう事もあるので、時間はかかりますが培養は確実な検査になります。




デリケートゾーンのかゆみを予防するには?


デリケートゾーンのかゆみを引き起こさないためには、日々の生活で少し意識してあげるだけでかゆみ予防に繋がります。

1.しっかりと休む

寝不足が続いていたり、疲れが溜まっていると細菌は繁殖しやすいため、かゆみを伴う感染症にもかかりやすくなってしまいます。

疲れた時はゆっくり休み、無理をしすぎないようにしましょう。

2.自分に合ったナプキンやおりものシートを使う

生理中は肌も敏感になりがちです。そのためナプキンでかぶれてしまう人も少なくありません。

ナプキンと言っても絹素材やコットン素材、メッシュ素材などさまざまな種類があります。

自分に合ったナプキンを見つける事で毎月の生理時のかぶれを少しでも軽減しましょう。

3.タンポンを上手に活用する

先ほど自分にあったナプキンを見つけるように言いましたが、タンポンを利用するのもオススメです。

ナプキンだと、どうしても外陰部などに擦れて荒れやすくなってしまいます。

タンポンだと外陰部に擦れたりしにくいので、生理の終わりかけにはタンポンを使ったりするなど、上手に活用しましょう。

4.性行為は信頼できるパートナーと

相手が感染症などにかかっている場合は、性行為で自分も感染してしまいます。

また、しっかりと濡れていない状態で挿入したり激しいセックスなどは、膣に傷がつきやすく、荒れたり菌が繁殖しやすくなります。

不特定多数の人と関係を持ったりしていると、いつ感染症になるか分かりません。

信頼できるパートナーと優しい性行為をするようにしましょう。

5.公衆のトイレは一度拭こう

外出先で公衆のトイレなどを使用する事もあるかと思います。

便座が濡れていたりする時には、菌が繁殖している可能性があります。
一度拭いてから座るようにするだけで、万一の感染のリスクを防げます。

また、温泉などのイスも一度洗ってから使うように心掛けましょう。

6.陰部を洗う時は優しく前から後ろへ

デリケートゾーンは清潔に保つ必要がありますが、刺激になってはかゆみやかぶれの原因に。優しく洗うようにしましょう。

洗う時は前から後ろ、前側からおしり部分に向かって洗います。

なお、排尿後のペーパーで拭く際も「前→後ろ」で拭き取るようにしましょう。
特に排便時には後ろから拭いてしまうと、大腸菌などの雑菌が膣内に侵入し、炎症を起こしてしまう可能性があります。

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デリケートゾーンのかゆみが起きやすいタイプ

以下のような人はデリケートゾーンのかゆみを起こしやすくなっているため、特に注意するようにしましょう。

  • アトピー体質の人
  • 陰毛を自己処理している人
  • おりものが多い人
  • 生理時の経血量が多い人
  • 軟便気味の人
  • 太り気味の人
  • 毛深い人

このタイプに当てはまり、よくかゆみを感じるのであれば、かゆみ予防を普段から実践するようにしましょう。

デリケートゾーンのかゆみには正しいケアを

デリケートゾーンのかゆみは起こりやすく、非常に不快な悩みです。

かゆみの原因はさまざまなものがあるため、自身のかゆみの原因となっているものを知り正しいケアをするようにしましょう。

感染症になっている時には市販薬では完治させる事が出来ないため、病院を受診する必要があります。

症状が進行していくと、治療も困難になっていくため早めに受診するようにしましょう。

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